人工臓器
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人工膵臓-白金修飾酸化チタン型グルコースセンサーの開発と小型化
池田 章一郎原 将記伊藤 要大倉 國利伊藤 勝基高木 弘近藤 達平
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1992 年 21 巻 3 号 p. 1104-1108

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抄録

すでに報告した、酸化チタン層を形成したチタンをカソードとした酸素電極系を用いた皮下測定型グルコースセンサーの特性を改善するために、基礎的な電極特性について詳細な検討を加え、さらに酸化チタン表面に白金の修飾を試みた。白金の高い触媒能により、酸素還元反応が白金上で優先的に進行し、その結果、残余電流と印加電圧が減少した。電極表面の走査型電子顕微鏡による観察から、白金が粒子となって島状に存在していることがわかった。その結果、酵素の固定化は前報通りに酸化チタン上で行えた。試作した白金修飾針状グルコースセンサーは、グルコース透過制限膜がない状態で、酸素雰囲気下で、50mg/dlまで、直線性良く30秒以内に応答した。以上の技術を用い、直径約1.1mm、長さ15mmの側面作動型の微小針型酸化チタングルコースセンサーを試作した。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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