抄録
小口径代用血管として4mm以下のbiological graftの臨床研究について報告する。使用したgraftはpolyepoxy化合物を架僑剤として用い、宮田、野一色らの方法5,8)によりheparin化した頸動脈由来の小口径生体血管とbioflow ®(Bio-vascular社製、biosynthetic bovine artery graft)の2種類である。このgraftsを閉塞性動脈疾患26例と腎不全15例の合計41症例に使用した。閉塞性動脈疾患には血行再建用graftとして用い、腎不全患者には内シャント作製のためのgraftとして用いた。吻合の方法は従来の手縫い吻合、またはlaser吻合にて行った。その結果、術後のgraftの開存率は1年89%、2年85%、3年で82%とほぼ満足出来るもであった。またheparinized biological graftを使用しlaser吻合を行った群で最も良好で、bjoflowを使用し従来の手縫い吻合を行った群で劣っている傾向を示した。また2例に術後感染を生じたが、材料の劣化、瘤形成、出血等の合併症は認めなかった。
結語:小口径biological graft、特にheparinized graftは抗血栓性、吻合部過形成の面で優れており、有用なgraftであると考えられた。