人工臓器
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新生児ECMOの臨床経験
長屋 昌宏津田 峰行岸田 喜彦平岩 克正
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1992 年 21 巻 3 号 p. 1188-1192

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抄録
新生児ECMOの臨床的な検討を行ったので報告した。ECMOの方法は頸動静脈を用いた静脈-動脈方式であった。ECMO機器は私共が小児用に独自に開発したものを使用した。1985年から臨床応用を開始し, 1991年11月迄に27例の新生児が対象になった。疾患別では横隔膜ヘルニアが13例と多く, 敗血症の7例が次いだ。ECMOの目的としては胎児循環の持続の克服や細菌性ショックからの離脱にあるものが多かった。ECMOを開始した時間は平均で生後63.4時間であり, 運転時間の平均は, 89.1時間であった。そして, 27例中20例, 74.1%を救命できた。特にECMOは胎児循環の持続の克服に威力を発揮した。一方で出血に関わった合併症が63%に発生したので, 早急な対応が必要である。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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