抄録
心室頻拍(VT), 心室細動(VF)の治療法の一つとして植込み型除細動器(ICD)があり、この第1世代のAIDを3例、第2世代のAICDを4例植え込んだ。主にAICDについて報告する。症例は42~64歳の男性で、拡張型心筋症を合併し駆出率は20~37%と低下していた。全て薬剤抵抗性で、体外式直流除細動を必要とした。2例はカテーテル焼灼不成功例で、他の2例は多原性のVTでカテーテル焼灼の適応ないと考えられた。術前薬剤を中止して手術を行った3症例のVT停止閾値は1 J (joule), VF停止閾値は10~20Jであった。術後急性期にVTが頻発し電池の浪費が生じた。この経験から薬剤を継続して手術を施行した症例は、VT停止閾値が5J, VF停止閾値が20Jと少し高かったが、術後多発性VTは認めなかった。全例退院し日常生活に復帰した。しかし1例が6ケ月後に頻発するVTのため突然死した。ICDは不整脈停止療法であり、植え込み後も不整脈の予防として内科的治療を厳重に行う必要がある。