抄録
本邦では致死性心室性不整脈に対するICD療法が臨床治験として行われている。臨床治験ガイドラインの患者選択にそった手術とICD合併療法3例について再検討を行った。症例1-薬剤抵抗性のarrhythmogenic right ventricular dysplasiaの23歳, 男性に対してright ventricular isolationを実施し, VTは誘発されないが左室起源のVTが残されているためpatchを植込んだ。術後極度の心不全にて死亡した。術後VTは誘発されず, 心不全を有する症例のpatch electrode植込み適応の問題点が提起される。症例2-VT, Vfによる心肺蘇生が行われたidiopathic VTの16歳, 女性に対して, 右室流出路起源のVTにcryosurgeryを行い, Vfに対してはICD療法を実施した。経過は順調である。術後Vfは誘発されずgenerator植込みの適応の問題点が提起される。症例3-心筋梗塞に伴うpleomorphic VTの60歳, 女性に対して留切除と心内膜切除術を行ったが, 再発を認めICD療法を併用した。術後頻回の再発性VTを起こし, バッテリーの消耗を来たした。generator植込みの適応の問題点が提起される。これらの検討により, 致死性心室性不整脈に対する直達手術とICD併用療法ではpatch electrodeのみを植込み, generatorは術後経過により検討すべきである。心内カテーテル電極やexernal patchの実用が可能となれば, この問題は解決される。