人工臓器
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ハイブリッド型作用場流動分画/吸着クロマトグラフィー法を利用したアミノ基導入高分子表面へのリンパ球亜集団吸着の定量評価
菊池 明彦唐沢 真美片岡 一則鶴田 禎二
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1992 年 21 巻 3 号 p. 1212-1216

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抄録
アミノ基導入高分子材料表面とラットリンパ球亜集団との相互作用を、新たに開発したハイブリッド型作用場流動分画/細胞吸着クロマトグラフィー(FFF/AC)法により定量的に解析した. ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(PHEMA)にごく少量のカチオン性のアミノ基を導入したHAV3ではリンパ球の吸着は著しく低下することが見いだされているが、FFF/AC法によりHAV3ではリンパ球の吸着力が、PHEMAやアミノ基をより多く導入した材料(HAV7)と比べて著しく小さくなっていることが明らかとなった。さらに、吸着力の小さいHAV3において、B細胞とT細胞では吸着力に差があり、適当な接触時間と勇断応力を作用させることによりB細胞とT細胞との識別が可能となることが判明した。これは、B細胞とT細胞とでHAV3表面との静電相互作用の寄与が異なるためと考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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