人工臓器
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抗フィブリン抗体T2Glsを用いた人工材料表面に形成した血栓の検出法
鈴木 嘉昭日下部 正宏秋庭 弘道日下部 きよ子
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1992 年 21 巻 3 号 p. 1217-1221

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抄録
99mTcによって標識された抗フィブリン抗体(99mTc-T2G1s)を用いて人工材料表面に形成した血栓の検出法を検討した。試料はシリコーンにタングステンカーバイド微粉末を混合したカテーテルを用いた。ラットの総頸静脈、鎖骨下静脈合流部より心臓部まで評価試料を一定期間留置した後、抗フィブリン抗体を尾静脈より投与した。投与後3, 6, 24時間後、試料および主臓器を採取し、シンチレーションカウンターにてカウントし、血液との比を求め集積比とした。またオートラジオグラフィーにより全身分布像の観察を行った。血小板、フィブリノーゲンでは特に血栓成長期間の長い血栓の検出は不可能であるが抗フィブリン抗体によって検出することが可能であった. 血小板、フィブリノーゲンを用いた場合、インキュベーション時間は2日以上必要であるが、抗フィブリン抗体を用いた場合、24時間で検出可能な集積量を示した。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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