抄録
代用血液として研究開発された安定化ヘモグロビン(PHP)溶液は、固形成分を含まずその分子サイズが赤血球に較べ著しく小さい酸素運搬体である。PHP投与により虚血後の末梢循環や臓器障害が改善されると報告されている。今回我々はPHP溶液を置換液体に用いて、ラット全身血液交換実験を行い、IgG、IgA、IgM濃度の変化を検討したので報告する。
Lewisラット(n=8)を用い、常温下で血液ポンプを用いて全血交換を行った。全血交換後体重が一時的に減少したが、その後徐々に回復し、3週間後正常ラットと同等の体重となった。血中IgG、IgAおよびIgMのレベルは全血交換後、前値の10%以下へと減少を示したが、体重の変化と平行して回復した。
安定化ヘモグロビン溶液による全血交換は異種移植における異種抗体の術前除去に応用される可能性のあることが示唆された。