抄録
今回我々は、右心補助人工心臓(Right Ventricular Assist Device: RVAD)の補助流量を変化させた場合の血行動態の変化と肺への影警について、ブタを用いて急性実験を行った。容量40mlの空気駆動式サック型補助人工心臓ポンプを装着し、次いで肺動脈幹を絞扼し右心不全モデルとし、RVADのflowをコントロールのAo flowの約30%としたもの(低流量補助群)、約60%としたもの(高流量補助群)とを比較したところ、RVAD駆動後、右室前負荷軽減効果は著明であったが、高流量補助群において、左心系の機能低下が進行する傾向が見られ、肺の形態的変化では肺浮腫の状態となり低流量補助群との間に相違が見られた。また、肺血管外水分量の変化を見てもRVAD駆動後は高流量補助群では更に上昇し両群間に有意差を認めた。以上より、RVADの補助流量の設定は左心及び肺機能に留意しながら慎重に決定する必要があると思われた。