人工臓器
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V-V方式を用いた装着型人工腎の改良
稲垣 豊天野 泉寺町 教詞
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1992 年 21 巻 3 号 p. 973-976

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抄録

Veno-venous(V-V)方式の装着型人工腎を開発した。この装置は[1]flexible double lumen catheter with Dacron cuff(以下d-FDL catheter)[2]PAN膜性のhemofilter(0.1m2)[3]重量1.2kgの血液ポンプ[4]専用回路および安全装置より成り立っている。d-FDL catheterはSeldinger法で鎖骨下静脈より上大静脈に留置し、皮膚からの感染はDacron cuffにより防止する様にした。ヘパリンは重量200gのマイクロポンプで持続注入を行った。マイクロポンプは充電式バッテリーで作動し、血液ポンプは(1)充電式バッテリー(2)カーバッテリー(3)AC-DCアダプターを用いて交流使用の3電源で作動する様に設計した。この装置を5例の透析患者に臨床応用した。この内2例には24時間連続のContinuous veno-venous hemofiltration(以下CVVH)を行ったが、循環動態は安定していた。従来の外シャントを用いた装置に比べ次の3つの利点が認められた。[1]循環動態が安定している。[2]手が自由に動かせる。[3]hemofilterの凝固が少ない。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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