抄録
胸部大動脈瘤手術時の補助手毅としての左心バイパス法の操作方法について, 小型渦巻式遠心ポンプを用い, 雑種成犬において検討を行った. ヘパリン投与下に, 左房左大腿動脈間に左心バイパス回路を置き, 全胸部下行大動脈を遮断した後, バイパス流量を変化させて測定を行った. ポンプ流量を増やせば心拍出量および頸動脈圧は低下傾向を認めた. バイパス後に大腿動脈圧を100mmHgに流量を設定した場合の頸動脈圧は, バイパス前の値と正の相関(r=0.76)を認め, バイパス前に頸動脈圧が140mmHg以上の検体は, 全てが, 大動脈遮断後にも140mmHg以上となり, バイパス前の血圧制御が必要と思われた. ポンプ流量と大腿動脈圧の間には正の相関(r=0.91)を認め, ポンプによる灌流圧の制御が有効であったが, 頸動脈圧はポンプによる圧制御が難しい場合があり, フェントラミンの投与が有効であった. 腎血流量とポンプ流量および大腿動脈圧との間には, それぞれ正の相関(r=0.86, 0.89)を認めた.