人工臓器
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リンパ球機能制御への超極細繊維の応用免疫活性化物質の固定化
宮崎 浩村林 俊見藤 歩勇田 敏夫
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1992 年 21 巻 4 号 p. 1349-1353

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抄録

生体材料と免疫系との相互作用に関して, さまざまな研究がなされている. われわれは, リンパ球の粘着挙動が高分子材料のサイズに依存する点に着目し, 材料のサイズが細胞機能にも影響を及ぼす可能性があると考え, ポリプロピレン製繊維のサイズがリンパ球のIL-2活性に及ぼす影響を検討した結果, 繊維径の小さい超極細繊維において高い活性を得ている.本研究では, 免疫担当細胞機能制御への超極細繊維の応用の可能性を検討するため, Con Aをモデル刺激剤として用いて, フQラズマ処理により平均繊維径1.5~7.9μmのポリプロピレン製繊維に固定化した試料上でリンパ球を培養してIL-2活性を調べた. 固定化してもCon Aは十分な力価を持つことがわかり, また, IL-2活性は繊維径に依存しなかった. 超極細繊維試料でも十分にリンパ球は活性化されており, 生理活性物質固定化超極細繊維を免疫担当細胞機能制御に応用できる可能性が示唆された.

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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