人工臓器
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救急・集中治療領域における血液浄化法の有効性
志賀 英敏上野 博一北村 伸哉松田 兼一中西 加寿也織田 成人大竹 喜雄菅井 桂雄平澤 博之
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1992 年 21 巻 4 号 p. 1354-1359

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抄録

救急・集中治療において, 血液浄化法は重要な位置を占めている.過去6年間に当ICUに入室した1, 520例の中で160例に, 病態にあわせ血液透析(HD), 腹膜透析(PD), 持続的血液濾過(CHF), 持続的血液濾過透析(CHDF), 血漿交換(PE), 二重濾過フ。ラズマフェレシス(DFPP), 血液吸着(HA), 血漿吸着(PA)およびエンドトキシン吸着(PMX)を単独あるいは組み合わせて適宜施行し, 96例(60.0%)を救命した. なかでもCHFおよびCHDFは, 循環動態の不安定な患者に対しても安定して施行可能で, さまざまな有効性を認めた. 肝疾患に対し, PE, PAおよびCHDFを施行し, 自己免疫疾患の急性増悪に対し, DFPPを施行した. また抗凝固剤の適切な選択で出血性合併症発生頻度を有意に減少させることができた. 以上より救急・集中治療領域において, 各種血液浄化法は適切な方法を用いることにより安全に施行可能であり, さまざまな有効性が期待でき, 重症患者に対する必須の治療手段となっている.

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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