1993 年 22 巻 1 号 p. 103-106
腹膜透析における物質移動を促進させるために、電気マッサージ器を用いて体外から腹部に振動を与えた。高濃度の尿素およびクレアチニンを含む試験液を犬の腹腔内に貯留し、これらの溶質濃度を経時的に測定した(対照実験)。対照実験後、試験液を完全に排液した。ここに再び新鮮な試験液を貯留し、腹部に電気マッサージ器を取り付けて、対照実験と同じ実験を行った(トライアル実験)。心電図に検出された振動の雑音を、高速フーリエ変換により分析したところ、電気マッサージ器による皮膚の振動はおよそ55Hzであることがわかった。
腹膜の物質移動速度を腹膜ダイアリザンスで評価すると、連続的な体外からの振動により物質移動速度を尿素およびクレァチニンについておよそ2倍に増加させられることがわかった。