抄録
生体材料との複合型人工臓器、いわゆるHybrid型人工臓器では、生体材料と人工材料との適合性が、大きな問題のひとつである。今回Hybrid型人工肝臓の代謝のリアクターとして、セルロース由来マイクロキャリア接着肝細胞の代謝能について検討した。0.03%コラーゲンをコーティングしたマイクロキャリアと肝細胞をスピナーフラスコ内で3時間培養し、間欠撹拌にて約70%の肝細胞が接着した。また、培養24時間後のNH3およびfructose負荷試験では、単層培養肝細胞に比して良好な代謝能を示し、6日後の負荷試験においても、代謝能の低下は単層培養肝細胞に比して軽度であった。