人工臓器
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慢性脱髄性多発性根神経炎(CIDP)に対する血漿二重濾過法(DFPP)の効果とその長期間施行による影響
添田 耕司堀 潤朗伊藤 靖磯野 可一小高 通夫
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1993 年 22 巻 1 号 p. 198-203

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抄録
ステロイド抵抗性CIDPにてDFPPを4年4か月で238回、3年8か月で105回施行した症例について検討した。DFPPを中止すると歩行困難となること、2週に1度のDFPPにより症状もなく日常生活に復帰したことにより、CIDPに対しDFPPは有効と思われた。長期間のDFPPにより、低蛋白血症、低コレステロール血症、低カルシウム血症、貧血が出現していた。いずれも重篤ではなかった。DFPPによりアルブミンが18g, IgGが3.2g除去されたが、5~7日後に、DFPP前値に回復していた。血清免疫グロブリンの値と神経症状とは必ずしも一致していなかった。リンパ球サブセットのCD4/8は症例1でDFPP後低下傾向にあったが、症例2では変化がなかった。他家アルブミン補充によるDFPPを数年行うのは問題と考え、症例1で免疫学的血漿吸着法に変えたが有用であった。DFPPの有効性の機序にimmunomodulationが考えられたがその関与の判定はできなかった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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