抄録
遠心ポンプの欠点を解決するために、新しい原理の小型容積型連続流血液ポンプ(PDP)を考案した。PDPは、切り欠きを持つ円板と、その切り欠きに噛み合うように仕切りを持ち、仕切りを挟んで流入口と流出口を持つポンプハウジング、円板に摺子木運動を起こさせるためのクランク軸およびクランク軸をシールする一対の膜により構成され、クランク軸の回転運動を円板の摺子木運動に変換し、円板の摺子木運動によって、流入口から流出口へと血液を移動させる容積型ポンプである。三種類のプロトタイプ(PDP25、PDP23、PDP0.4)を作製し、PDPの動作を確認した。その結果、PDPは人工心臓として十分なポンプ出力を持つことがわかり、完全埋込型人工心臓の血液ポンプに応用できる可能性があることがわかった。また、PDPでは、遠心ポンプより低回転で同等のポンプ出力が得られることがわかった。