人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
気泡ポンプ型人工肺の試作
末田 泰二郎福永 信太郎渡僑 和政浜中 喜晴松浦 雄一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 22 巻 3 号 p. 911-914

詳細
抄録
揚水管内で圧縮気体を液体内に吹き出すと密度の小さい気泡液体ができ、管外との液体の比重差で噴出する気泡ボンプの原理を用いて酸素運搬体の炭化フツ素(PFC)を酸素加して循環させ、血液の酸素加を行う人工肺を試作した。内径2.2cm、高さ30cmの円筒管2本を連結してPFCを満たした。一方の円筒管の下から圧縮酸素を噴出させてPFCを循環させ、他方の円筒管の下から血液を注入すると血液は酸素加されたPFOと接触して、酸素交換した後に比重差で分離される。この酸素加された血液をローラーホンプで吸い上げ送血した。血液20ml貯血した状態で揚程は2.5cmが得られた。血流量50ml/分、酸素流量21/分の条件下で静脈血のガス分圧はPO2 62-96mmHg、PCO2 31-25mmHgと改善し、血流量は60ml/分まで得られた。今後は血流量増加、PFGと血液の完全分離法に工夫を要する。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top