人工臓器
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SJM弁閉鎖音周波数特性の実験的検討時間周波数分布による解析
藤田 康雄土田 昌一林 純一江口 昭治堀 潤一斎藤 義明
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1994 年 23 巻 1 号 p. 151-154

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抄録

時間周波数解析の手法(Wigner-ViUe法)を用いて、SJM弁閉鎖音の実験的解析を行った。閉鎖音の時間周波数分布は1.3~1.5KHzに最大ピークを有し、5KHzまで達していたが、周波数が高くなるほどパワー減弱した。弁サイズを大きくすると1.5~3KHzの領域の出現時間がやや延長した。擬似血栓の付着により、3~5KHzの領域のパワーの減弱が認められた。擬似血栓を大きくすると、1,5~3KHzの領域のパワーの減弱も認められ、さらにその出現時間も短縮し、最終的には、1KHzをピークとする連続性の周波数分布を認めるだけとなった。本法によるSJM弁閉鎖音の解析は、血栓付着により、1.5~5KHzの周波数域のパワーの減弱とともに分布出現時間の短縮も認められ、弁機能不全を早期に、より明確に判断できる可能性があると考えられた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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