人工臓器
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電磁駆動式振動流ポンプを用いた呼吸補助法
永沼 滋仁田 新一山家 智之秋保 洋柿沼 義人井筒 憲司小林 信一田中 元直橋本 弘之葛西 毅三浦 誠佐藤 尚毛利 平檜山 浩国
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1994 年 23 巻 1 号 p. 317-322

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抄録
重度の呼吸不全状態に陥った時に, 通常の呼吸管理を行っても, 低酸素・高炭酸ガス血症状態が改善できない場合には、静脈血を動脈血化し、肺機能を代行するextra-corporeal membrane oxygenation(ECMO)が用いられることがある。現存のシステムは複雑で手技的にも非常に難しく汎用はされない。このことを解決するために、われわれは電磁駆動式振動流ポンプ(VFP)を開発し、ECMOに対しする適用の可能性を検討した。このポンプは振動流を形成することで、外部潅流型膜型人工肺の酸素加能を向上させることをすでに報告しており、この点で従来のものよりも有効であると考えらる。本研究では全身麻酔下成山羊の人工呼吸器を停止させ、人為的に呼吸不全状態に陥らせ、右房脱血、肺動脈送血によるECMOを行ったところ、動脈血酸素分圧は100~150mmHgに維持され肺のガス交換機能は代行でき、VFPを用いたECMOは有用であると考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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