人工臓器
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初代肝細胞のPUF/スフェロイド培養系を用いたハイブリッド型人工肝臓の開発
―血漿中での肝機能の維持―
松下 琢井嶋 博之船津 和守浜崎 啓介小出 典男
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1994 年 23 巻 2 号 p. 469-472

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抄録
成熟ラット肝細胞は、無血清培地中での5日間の培養で、ポリウレタンフオーム(PUF)孔内でスフェロイドを形成するが、その後100%ラット血漿中に移し培養を続けると、16日目でその内部構造が崩壊した。しかし、血漿中にepidermal growth factor (EGF, 50μg/l)、インスリン(10mg/l)、グルカゴン(10-8M)、デキサメサゾン(10-8M)、アプロチニン(100KIU/ml)を添加することにより、この崩壊は抑制され、スフェロイドの構造は培養20日間にわたる静置培養で維持された。またスフェロイドの尿素合成活性も培養20日間にわたって良好に維持された。さらに多細管型PUF充填層培養においても、ホルモン添加血漿中で尿素合成活性が維持され、その値は無血清培地中よりも高かった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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