人工臓器
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心臓移植へのブリッジを目的とした埋込型左心補助人工心臓システム(LVAS)の開発
中谷 武嗣高野 久輝穴井 博文妙中 義之赤城 治彦増澤 徹馬場 雄造巽英 介鬼頭 義次川島 康生
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1994 年 23 巻 3 号 p. 637-640

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抄録

我々は, ブリッジ用として日本人に適したサイズの埋込型左心補助人工心臓システム(LVAS)の開発を進めている, 血液ポンプは抗血栓性・耐久性に優れたセグメント化ポリウレタン(TMシリーズ)製空気圧駆動ダイアフラム型で, ポンプの拍出量モニタリングおよびfull-fill to full-empty駆動制御を非侵襲的に行なうためのインピーダンス法を開発し, さらに適用患者のQOL向上のために携帯型駆動装置を試作した.慢性動物実験は, 成山羊11頭を用い左室心尖脱血-下行大動脈送血にて行った.事故、出血等により5頭を2~9週にて失ったが, 2頭は4週, 1頭は9週, 3頭は14週以上の循環補助後犠死せしめた. 循環補助中, 全身状態は良好に維持され, 血液・生化学検査上特に異常を認めなかった. 本LVASは, 3ヵ月以上の使用が可能であり, 現在, 臨床応用にむけて更に慢性動物実験を続行中である.

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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