人工臓器
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ポリアミングラフト共重合体表面における血管内皮細胞の接着、増殖活性の解析
平 光田中 晶子片岡 一則鶴田 禎二林 正男
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1994 年 23 巻 3 号 p. 695-699

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抄録

側鎖にジアミンの繰返し構造を有するポリアミングラフト共重合体表面上で血管内皮細胞を培養した結果、コポ可々ー中のアミノ基量の増加に従い、内皮細胞の接着、伸展、増殖が促進されることが明かとなった。また.血清タンパク質の影響を評価するため、,牛胎児血清(FCS)あるはアルプミン(BSA)をコポリマー表面に吸着させた表面上で内皮細胞の接着、伸展を評価した結果、FCS吸着層上ではアミノ基量の増迦に従い接着、伸展が促進されたが、BSA吸着層上では阻害された。これにより血清タンパク質、特に細胞接着性タンパク質が関与していると考え、このコポリマニ表面に吸着した血清タンペク質のうちフイブロネクテン(FN)、ビトロネクチン(VN)の定量を酵素免疫測定法により行った。その結果アミノ基の増加に従いFN、VNの吸着量も増加し、アミノ基含有表面がFN、VNの吸着量の促進を通じて細胞増殖能を向上させていることが示唆された。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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