抄録
イオンビーム照射をポリスチレン(PS)、酸素プラズマ処理PS(PS-0)、コラーゲンコーティングPS(PS-C)、ゼラチンコーティングPS(PS-G)に行い細胞の接着制御を試みた.Ne+, Na+, Ar+, Kr+イオンビームを試料に加速エネルギー50, 100, 150keV、照射量1×1015ions/cm2照射した.イオン照射によってPSへの子宮頸部癌細胞(HeLa細胞)の接着が促進された.イオン照射によりPS-O, PS-C, PS-GへのHeLa細胞の接着は抑制された.イオン照射したPSへのHe正a細胞の接着は生成官能基による効果であり、PS-O, PS-C, PS-Gへの接着抑制はPS-OについてはC=Oの減少、PS-C, PS-Gはタンパク質の分解および存在比の減少によって生じたものと考えられた.またNe+イオンビームをPS-Cへ150keVで1×1015ions/cm2照射した表面へのHeLa細胞は接着抑制を示すのに対して、血管内皮細胞は接着を生じ、同一照射面への細胞種による接着挙動の差が観測された.