人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
EDA(+)フィプロネクチンの血中変動に及ぼす体外循環と抗凝固剤の影響
米川 元樹高橋 昌宏久木田 和丘目黒 順一玉置 透川村 明夫柳田 尚之倉内 宣明岡野 正裕今井 政人坂下 栄治
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 24 巻 3 号 p. 770-774

詳細
抄録
Cryofiltration施行中に血中EDA(+)フィプロネクチン(EDA(+)FN)は一過性に上昇するが、その血中変動に及ぼす、疾患、体外循環、抗凝固剤の影響を検討した。Cryofiltrationを行った種々の疾患における血中EDA(+)FN上昇の比較では自己免疫疾患以外の疾患でも上昇するものの、自己免疫疾患の方が上昇率は高かった。Cryofiltration、ヘパリン透析、低分子ヘパリン透析、メシル酸ナファモスタット透析の4群でEDA(+)FNの経時変動を比較すると、いずれの群もEDA(+)FNは上昇し、Cryofiltration群とメシル酸ナファモスタット透析群でより顕著であった。体外循環をせずにヘパリン投与のみで経時変動をみると、EDA(+)FNは投与後急速に上昇して15~20分で最高値、逆に血漿型FNは最低値となり、両者の変動は対称的であった。以上から、体外循環中のEDA(+)FNの上昇は抗凝固剤によるものであり、ヘパリンのみならず低分子ヘパリシやメシル酸ナファモスタットでもみられる現象であることが判明した。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top