人工臓器
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磁気浮上式遠心血液ポンプにおける流量・圧力差の間接測定とポンプの運転モード
築谷 朋典赤松 映明西村 和修朴 昌禧
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1996 年 25 巻 2 号 p. 249-254

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抄録
長期使用可能なターボ型血液ポンプとして開発中の磁気浮上式遠心血液ポンプについて, インペラーが機械的接触なしで回転する長所を利用してモータ電流と回転数のみからポンプ流量と発生圧力を間接的に測定する方法を提案し, 模擬循環回路を用いて精度を検討した. その結果, 流量の変動が速い場合でも精度よい測定ができるが, 流体の密度と粘度が精度に大きく影響するため, 血液の粘度を正確に測定する必要があることが示された.
また, 遠心ポンプの運転方法として従来の回転数制御に代わり, 制御対象をモータ電流として, 圧力差量特性曲線の勾配を自由に変化させる方法を提案し, 実験により勾配を調節できることを確かめた、これにより, 遠心ポンプの短所の一つである後負荷の変動に対する流量変動を抑えることができるだけでなく, 生体心の心房圧と拍出量の関係にポンプ入口圧と流量の関係が等しくなるような勾配にすることで, 生体心のスターリング則に準じた運転も可能となる.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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