人工臓器
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CABG術後のミオグロビン尿性急性腎不全に対する持続的血液濾過の有用性
畑 博明塩野 元美進藤 正二折目 由紀彦八木 進也塚本 三重生奥村 晴彦瀬在 幸安
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1996 年 25 巻 2 号 p. 403-405

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抄録

開心術後の急性腎不全は重篤な合併症であり, 迅速かつ適切な対応が重要である。今回我々は, 57歳男性の冠状動脈バイパス術(CABG)術後に横紋筋融解症による急性腎不全を認め(BUN 189.3mg/dl, Cr 7.1mg/dl, 補正GFR 2.1ml/min, 血中ミオグロビン36000ng/ml, 尿中ミオグロビン68000ng/ml), 持続的血液濾過(CHF)を施行した。症例は低心拍出量症候群(LOS)のため大動脈内バルーンパンピング法(LABP)による補助を必要とし, 不安定な血行動態を示したが, CHFは安全に行いえた。7日間CHF施行後血行動態は安定し, 更に血液透析(HD)を10日間施行後離脱し, 軽快退院した。CHFは開心術後循環動態が不安定な症例にも早期から安全かつ有効に腎機能の急速な悪化を防止でき, 極めて有用であると思われた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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