抄録
過去5年間に20例にECMOを行った。男性15例、女性5例、年齢は10~75歳(平均62.5歳)、冠動脈バイパス術9例、弁置換術4例、大動脈瘤グラフト置換術3例、PTCAの補助1例、急性心筋梗塞の循環補助1例、肺切除術後2例であった。ECMOからの離脱は、冠動脈バイパス術9例中2例(22.2%)、弁置換術4例中1例(25.0%)、大動脈瘤グラフト置換術3例中1例(33.3%)、一側肺全切除術後2例中2例(100%)であった。離脱例と非離脱例との間に補助循環時間に有意差はなかった。以上の結果からECMOは循環不全時の補助循環として有用な手段であるが、なかでも呼吸不全による右心不全に対しては高い有効性が望める手段であることが示唆された。