人工臓器
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血液透析中におけるBVMとBTM併用の有用性
横瀬 誠治宮本 二郎
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2000 年 29 巻 2 号 p. 399-406

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抄録
透析中に血圧低下を来しやすい患者15例を対象に, 均等UFR, 血液量モニター (Blood Volume Monitor;BVM), BVM+血液温度モニター (Blood Temperature Monitor;BTM) による透析を行い, 平均血圧 (MAP), 昇圧処置頻度を比較検討した。均等UFRは透析後半にMAPの下降を示すが, BVMはその維持が容易となった。DMを有する症例では高いUFRセットポイント時期にMAPの下降を示すことがあるが, BVM+BTMでは有意に改善された。均等UFRとBVMでは, 透析開始とともに動脈側血液温度 (arterial blood temperature;Tart) が上昇傾向を示すのに対し, BTM時は, 透析液温度を積極的に変化させることで, 透析開始時のTartを終了時まで維持した。透析中のMAPの維持は, 均等UFR<BVM<BVM+BTMで, 昇圧処置頻度は, 均等UFR>BVM>BVM+BTMの結果となり, BVMでUFコントロールするだけでなく, 透析中の体温変動を抑えることで循環動態の安定性がはかれ, BTM併用の有用性が確認された。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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