抄録
地勢及び海流から日本海,陸奥湾,津軽海峡,太平洋の4つの海域に区分される青森県沿岸 において,1999年から2002年にかけて,海岸線沿いに500m間隔で設けた調査線上の水深2.5m (1,079地点),5m(1,181地点)及び10m(1,183地点)で潜水し,アマモ科植物の現存量及び生 育地点の砂泥層の厚さと中央粒径値を求めた。この結果,4種のアマモ科植物が採取され,ス ガモは陸奥湾を除く海域の岩盤に認められた。他の3種は砂泥域に生育し,スゲアマモは陸奥 湾と津軽海峡,タチアマモは津軽海峡水深10m,アマモは太平洋以外の海域に認められた。ア マモとスゲアマモは陸奥湾で広範な群落を形成していたが,稀にしか混生せず,スゲアマモは アマモより深所で堆積層が薄く粒度の粗い海底に生育する傾向が認められた。