抄録
本研究では, 砥粒を剛体, 結合剤をばね要素とした有限要素法に適応した砥石の数学モデルを提案した. そこで本稿ではこの砥石モデルを用いて, 遠心力が作用した場合の砥石の弾性変形量をビトリファイド砥石とレジノイド砥石を対象に算出した. その結果, 直径φ300mmのビトリファイド砥石とレジノイド砥石を回転数2100min-1および3200min-1程度で回転すると, 遠心力による変形量はそれぞれ3μm, 23μm程度であることがわかった. また遠心力を考慮した解析に, 砥石と工作物との接触時における押し付け力を加えた解析を行うことにより, 回転中の砥石の接触剛性を求めることができる可能性について示した.