抄録
気相合成ダイヤモンドの前処理技術として一般的な超音波洗浄機のキャビテーションを利用したスクラッチについて吟味した. シリコン基板に付加されたスクラッチについて, 基板表面の状態を3次元に評価し, 同一基板上における場所の違いで, 加工時間とともに推移する研磨形態を明らかにした. 超音波による処理では, 加工時間の増加とともに基板中心部と周辺部とで加工による除去量の差が顕著に現れ, 加工時間を30分にすると, 周辺部の算術平均粗さは中央部の倍近い値となった. これに対し, 手研磨法による定圧研磨においてはその差は10%以内であった.