2008 年 52 巻 4 号 p. 209-213
本研究では,流体動圧軸受のへリングボーン溝などの複雑,微細および高精度のコイニングを行うためのパンチの製作法について検討した.その方法として,焼入ダイス鋼などのパンチ用材料をcBN製マイクロエンドミルを用いて直接仕上切削する方法を検討した.直径0.1mmのcBNスクエアエンドミルを試作し,へリングボーン溝の切削試験を行った.その結果,試作コイニングパンチは要求加工精度を満足し,加工時間は従来の放電加工に比べて短く,工具寿命は1本のコイニングパンチを加工できる程度の長さであり,検討した加工法が実用的であることを明らかにした.