高い研削能率を保ちつつ,表面粗さを向上させることを目的に,研削速度方向に対しワーク送り方向を所定量だけ傾斜させて研削を行うヘリカルスキャン研削法について検討した.本研削法は,意図的に砥粒軌跡を傾斜させて制御することによって実質的な砥粒間隔が狭くなるため,粗粒砥石でも表面粗さを大幅に改善することができる特徴をもつ.本研究では,ヘリカルスキャン研削法をメタルボンドダイヤモンドホイールによる窒化珪素(Si
3N
4)の平面研削に適用し,表面粗さの改善効果を各種研削パラメータとの関係で調べて,検討した.その結果,粗粒砥石(SD170)を用いた場合,送り角を設けることで表面粗さが改善し,細粒砥石(SD600)による通常研削と同等の表面粗さの値を示した.また,本手法は,送り速度が大きい高能率条件でも表面粗さの改善効果が現れ,切込み深さについても,その大小にかかわらず,表面粗さが大幅に改善できることがわかった.
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