抄録
第1報では,延性モード研削加工における砥粒1個当たりの抵抗,比研削エネルギ,平均切りくず厚さを明らかにした.そして,加工能率の向上のためには,工具-工作物間の断続的な接触をうながす背分力方向振動の援用が有効との考えにいたる経緯を述べた.本稿では,背分力方向振動を援用した単結晶シリコンの延性モード研削加工を行い,振動を援用しない場合との比較で,研削抵抗が安定し,約3倍の切込みで延性モード面を得た.さらに,背分力振動援用時の切れ刃単体の材料除去過程をフライカット加工実験で確かめ,連続切れ刃による材料除去過程の簡易なモデル化を行った.その結果,切れ刃間隔が均一な多刃工具を用いることで,切れ刃単体の材料除去量を抑え,断続的な除去機構を実現する効果的な延性モード加工が可能になることを示唆した.