砥粒加工学会誌
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論文
円筒研削盤上でのシステム剛性・接触剛性の測定技術
山本 優塚本 真也
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2009 年 53 巻 7 号 p. 429-434

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抄録

高精度な円筒研削加工のためには,研削加工中の切残し量が一定値以下になるように制御しながら研削することが必要である.切残し量は砥石台の送り込み量と工作物が削りとられる量(寸法減少量)との差で与えられる1).寸法減少量は工作物外径寸法を直接定寸装置で測定して求めることができるが,定寸装置を使用しない間接定寸研削では,研削加工中の測定はできない.そこで,間接定寸研削においても切残し量を求めることが可能な測定技術を開発した.開発した測定技術では,砥石支持系と工作物支持系のシステム剛性と砥石‐工作物系の接触剛性をあらかじめ求めておき,加工中の研削抵抗を測定して,計算により砥石磨耗に起因する切残し量と仕上げ面あらさに起因する切残し量以外の切残し量の和を求める.本研究では,システム剛性と接触剛性および研削抵抗の新測定方法と従来の測定方法を比較して,その妥当性を確認した.開発した測定技術により,間接定寸研削においても,研削サイクル中の砥石支持系と工作物支持系の変位に起因する切残し量と,砥石‐工作物系の接触剛性に起因する切残し量の和を短時間で自動測定することが可能になる.

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© 2009 社団法人 砥粒加工学会
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