抄録
本研究は,新しい超精密磁気研磨法を提案している.この加工法は,微細な球状鉄粉と微粒研磨材および研削液を単純混合した磁気研磨スラリーを用いて,加工中に生ずる自生撹拌現象を利用することにより粒子を均一分散させて超精密表面を創成する新しい超精密内面磁気研磨法である.市販の油性研削液に6μm径のカルボニル球状鉄粉と粒径0-0.25μmの微細ダイヤモンド砥粒を単純混合した磁気研磨スラリーを作製し,外形20mm,内径18mmのSUS304円管の内面磁気研磨実験を行った.その結果,加工前の表面粗さ320nmRaを5nmRaの超精密表面に創成することに成功した.