2013 年 57 巻 4 号 p. 241-246
研磨加工においては,研磨性能の安定化を目的に,適宜,研磨パッドのコンディショニングが行われている.この際,パッドの表面性状に及ぼすコンディショニングの効果は,当然のことながら,その条件に依存する.一方,条件設定は技術者の経験に依存することが多く,条件設定に資する各種要素の定量化が求められている.本研究では,デジタル画像相関法(DIC法)を用いて,コンディショニングによるパッド表面の微小面内変位特性の非接触測定に基づく定量評価を行い,基礎的検討として,各種条件が当該特性に及ぼす影響を調査した.その結果,コンディショニングによってパッド表面は微小に面内変形することを示した.さらに,①コンディショナ粒度の増加に伴い,パッド表面の面内変位量は減少すること,②コンディショニング圧力及び時間の増加に伴い,パッド表面の面内変位量は増加することを明らかとした.