砥粒加工学会誌
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Si-CMPの研磨レートに及ぼす要因分析
畝田 道雄髙橋 佳宏澁谷 和孝中村 由夫市川 大造石川 憲一
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2014 年 58 巻 10 号 p. 652-657

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抄録
半導体デバイス用シリコン(Si)ウェーハの表面を高平坦化することを目的に,CMP(Chemical Mechanical Planarization/ Polishing)による研磨加工が行われている.CMPにおいて,研磨時間の経過に伴い研磨レートは低下し,このことは研磨パッドにおける表面性状(アスペリティ)の悪化に大きく起因することが知られている.さらに,スラリー砥粒濃度が高いほど研磨レート向上が得られることはよく知られているが,その他の研磨条件や諸現象との因果関係は明確でない.本研究ではSi-CMPの研磨レートに及ぼす要因分析として,接触画像解析法に基づく研磨パッド表面性状の定量的評価値とともに,研磨中における研磨ヘッドの振動加速度やウェーハと研磨パッド間の摩擦係数,研磨パッド表面温度を評価することで,各パラメータが研磨特性に及ぼす影響を体系的に明らかにした.その結果,Si-CMPにおいては,研磨ヘッドの振動加速度の増加に伴い研磨レートは低下する傾向にあることを明らかにした.また,一般には摩擦係数ならびに研磨パッド表面温度と研磨レートは比例関係にあると考えられているが,その傾向はスラリー砥粒濃度の高低によって異なること,を明らかにした.
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© 2014 社団法人 砥粒加工学会
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