抄録
地球環境の保全と資源の有効活用が現在ほど叫ばれた時代はない.この課題に対して砥粒加工の立場から一つの提案をした.すなわち天然資源を活用した炭砥石を開発し,半導体シリコンウエハの研磨加工にその可能性を見出した.炭は容易に粉砕でき微細化が図れるが,ある程度の粒子サイズまで小さくなると寸法効果により破砕は起こりにくくなる傾向を示した.同時に破砕を繰り返し細かくなっていっても,粒子形状のシャープさが保持される特長を示した.この2つの性質(破砕しにくさと切れ刃エッジの鋭利さ)を有するこが認められたため砥粒として可能性を見出した.そこでこれに天然資源のゼラチンを結合材として混ぜ,ペレット状に成形した炭砥石を製作した.そしてこれらを基に製作したカップ型炭砥石を縦型平面研削盤に装着し,シリコンウエハの研磨を実施したところ,表面あらさが数ナノレベルに研磨ができた.