抄録
近年,自動車用ソレノイド部品をはじめ,電磁力制御を行う部品には磁気特性に優れる軟磁性材料が多く使用されている.しかし,この材料は他の炭素鋼と比べると粘い材料であることから,ばりの発生を抑制することは難しい.また,周知のように工具摩耗が進行すると工具の切れ味が低下することで,さらにばりの発生量が増加する要因につながる.そこで本研究では,ばりの発生量に着目した工具寿命と工具摩耗量の関係を明らかにし,加工条件の違いが工具寿命に及ぼす影響について検討した.この結果,切削速度および送り速度の変化とばりの発生量に着目した工具寿命の関係を,Taylorの工具寿命方程式より明らかにすることができた.さらに,ばりの発生には工具先端の形状が大きく関係しているとがわかった.そこで,疑似的に工具先端を摩耗させた工具を用いて実験を行うことで,ばりの発生し難い工具先端の形状を実験により確かめた.