抄録
微小穴の内側は測定子が入らないため接触式測定機で測定することは不可能である.対象を切断して穴内部を露出させ測定することは可能であるが,破壊測定であり切断に要するコストと時間が多大なため実施は困難である.本研究の目的は,穴内側形状を外側形状に変換したレプリカを作成し,これを非接触式測定機で測定,解析することで間接的に穴形状を解析するレプリカ法の有用性の確認である.超音波援用研削加工でガラス板に微小穴をあけ,この穴のレプリカを作成し,このレプリカを非接触測定機で測定し,得られたデータを解析した.レプリカの直径,真円度,断面曲線さらにはその周波数スペクトルを基にしてうねり曲線と粗さ曲線を統計的に解析した.一連の解析から穴形状に関連する有益な情報を得たことでレプリカ法の有用性を確認した.