砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
Print ISSN : 0914-2703
ISSN-L : 0914-2703
フラクタル次元に基づく切削工具の寿命予測
ユザイリ アブドゥル ラヒ-ム, 清水 毅, 萩原 親作
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 61 巻 7 号 p. 398-403

詳細
抄録
現在までに,切削工具の摩耗評価のために刃先形状の複雑さとしてフラクタル次元を導入し,フラクタル次元の変化と刃先形状の変化について検討した.その結果,工具刃先は微小な欠けと平坦化を繰り返し,時折大きな欠けを伴いやがて寿命に達することが分かった.本報では,さらに実験を行い,工具刃先のフラクタル次元による評価と工具寿命との関係について検討した.その結果,サーメット工具を用いたSCM435Cの切削実験から,寿命近くではフラクタル次元の値がすくい角により異なり,すくい角が0°のとき1.18,14°のとき1.16であった.このことからすくい角が小さいと微小な欠けが多く発生し,寿命を向かえ,逆に大きいと欠けの規模が大きくなり,やがて寿命をむかえることと一致する傾向であった.また,従来からの逃げ面摩耗幅,切削抵抗,せん断角との比較したところ,フラクタル次元は寿命近くでは安定しており,寿命予測には有効なツールであることを示せた.
著者関連情報
© 2017 社団法人 砥粒加工学会
前の記事
feedback
Top