砥粒加工学会誌
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難加工基板を対象としたプラネタリCMP法の研究
畝田 道雄藤井 皐司伊藤 諒平武田 秀俊會田 英雄
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2018 年 62 巻 11 号 p. 578-583

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抄録
低炭素化社会の実現に向け,省エネルギ性能の高い発光ダイオード(LED)の普及に伴い,その基板材料であるサファイアには安定した製造プロセスが求められている.本研究では,サファイア基板のCMP法における基板形状の安定化を実現する新規CMP法の開発を目的とする.本論文では,遊星歯車機構によって基板回転に自公転運動を付与し基板の運動軌跡を複雑化させたプラネタリCMP法を提案し,プラネタリCMP法における基板表面の相対摩擦距離をシミュレーションによって計算するとともに,専用装置を試作することを通じて一連の実験検討を行った.その結果,従来の多数枚貼り付けによるCMP法(従来CMP法)と比較して,プラネタリCMP法は研磨レートの面内ばらつきと基板厚み差の標準偏差の値が小さく,同一形状の基板が得られることを確認した.
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© 2018 社団法人 砥粒加工学会
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