抄録
近年,部品に要求される加工精度が年々高まっており,それに伴い,製作した部品形状を評価するために非接触の精密形状測定技術が必要不可欠となっている.非接触な形状測定方法である光プローブは,近年の研究の進展に伴い垂直方向の分解能が10nmオーダまで向上している.しかしながら,光プローブの水平分解能は測定点におけるレーザ光のスポット径に依存し,一般に垂直分解能と比べて1桁以上低いという問題点を有している.本研究では光プローブの水平分解能の向上を目的として,多方向からのレーザ光の集中照射を利用した光プローブを提案し,左右の光プローブの出力から測定点の変位と傾斜角度を分離する方法を示した.また,光線追跡法を用いた形状測定シミュレーションを行った.試料の変位と傾斜をそれぞれ変化させた時の光プローブの出力を求めるシミュレーションを行った結果,左右の光プローブの出力から試料の変位と傾斜の情報が得られることを明らかにした.さらに,形状測定シミュレーションの結果から,提案する光プローブによりスポット径内の平均化の影響を受ける領域の幅の低減が可能であることを示し,形状測定における水平分解能の向上が可能であることを明らかにした.