抄録
近年,低炭素社会の実現に向け,次世代のパワーデバイス用の基板材料としてSiCウェーハを利用することが注目されている.しかしながら,SiCは高硬度材料に分類される硬い材料であるため,インゴットからウェーハ状に薄くスライスする加工が難しく,高コストの要因となっている.そこで,本研究では揺動振動援用型マルチワイヤソーにおいて,5%程度の低濃度のダイヤモンドスラリーと樹脂コーティングワイヤを用いたスライシング加工において,SiCウェーハの高精度化を目指している.本報告ではSiCウェーハの高精度加工が可能となる加工条件について実験的に検討した.その結果,SiCウェーハの表面のソーマークと呼ばれるスクラッチ痕の発生を軽減できることや,ウェーハ表面うねりに影響を与える因子を明らかにした.