機械加工の系に生じる振動は,工作物の加工面性状に直接影響を与える.とくに研削加工の場合,振動の測定と解析は,最適ドレッシングサイクルを導出するのに有効であると思われる.そこで本研究では,円筒プランジ研削において砥石と工作物との干渉により引き起こされる振動が研削抵抗に重畳することに着目し,研削抵抗の振動成分と工作物表面粗さ等の研削結果との関係ついて実験的に検討している.すなわち,背分力および主分力の2方向成分を計測可能な2軸圧電型力センサを用いて研削抵抗をインプロセス測定し,定常研削状態における研削抵抗の振動をFFT解析するとともに,工作物の研削面プロフィルおよび表面粗さとの関係を検討することで,円筒研削の進行による研削性能の低下が,研削抵抗の振動成分の遷移として現れることを明らかにしている.また,ドレッシング条件による砥石作業面の変化が,研削抵抗の振動成分の変化として現れることを確認している.その結果,ドレッシングのタイミングの管理に研削抵抗の振動解析が有効であることを明らかにしている.