2019 年 63 巻 8 号 p. 415-420
単結晶シリコンの超仕上げにおいて,硫酸バリウム砥粒を含むメカノケミカル超砥粒砥石の開発によって従来のダイヤモンド砥石よりも仕上げ性能の向上,高寿命化が実現された.本研究では,ドレッサの砥粒運動軌跡を変更した目直しを行い,砥石表面および超仕上げ性能に及ぼす影響を調査した.その結果,砥石外径へのドレッサの干渉開始角度の小さい目直しを行うと,目直し量が少なく,砥石表面を摩耗させることで良好な仕上げ面が得られた.しかし,同一条件の目直しを繰り返すと,砥石作業面が徐々に劣化し,それに伴って超仕上げ性能が悪化することが明らかとなった.