砥粒加工学会誌
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スパイラル工具の連続気孔が切くずの排出性に及ぼす効果
上村 康幸土屋 健介
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2019 年 63 巻 8 号 p. 421-425

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抄録

一般に固定砥粒工具は,目づまりが発生したときに断続的なドレッシングを行い,研削および研磨機能を失うまで継続する.ドレッシング工程は,作業能率の低下や工具寿命の減少,コストや環境負荷の増大などに影響する.著者らは,工具表面にスパイラル溝を有する固定砥粒工具を提案し,切り屑の目づまりを除去または減少させることを試みた.螺旋形の溝は,工具の側面に巻かれたスパイラルワイヤによって作り出され,切くずの連続的な排出を可能にし,工具寿命を緩和できる.研削実験をとおして, 従来の固定砥粒工具は容易に目づまりするのに対し, スパイラル工具は目づまりしにくいことを確認した.また,スパイラル工具を用いて純アルミを鏡面加工できることを示した.

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© 2019 社団法人 砥粒加工学会
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