砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
Print ISSN : 0914-2703
ISSN-L : 0914-2703
画像処理を用いたダイヤモンド砥粒の形状分類に関する研究
—第2報:ディープラーニング(CNN)を用いた分類と圧壊強度—
坂口 彰浩川下 智幸内田 和志松尾 修二
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 63 巻 9 号 p. 464-469

詳細
抄録

研削加工の仕上げ面の形成には,砥石作業面の砥粒の形状や分布が大きな影響を与えることが知られている.このようなことから,筆者らは,前報において,グレ-ドが高く砥粒形状が良好なダイヤモンド砥粒を測定対象として,砥粒の上・下面とそれらの側面のそれぞれの砥粒面を同時に計測することで,砥粒のほぼ全ての砥粒面の性状を数値的に評価できる計測システムを開発し,それを用いて砥粒形状による分類と圧壊試験を行い,良形砥粒ほど圧壊荷重値が高いことを明らかにしている.しかし,この方法では,比較的広い砥粒面を形成しているグレ-ドの高い砥粒の計測は可能であるが,丸みを帯びた砥粒や小さな面を複数有するような砥粒は評価できなかった.本報告では,画像処理分野で高い処理精度を示し,特徴抽出と識別処理を同時に「機械学習」可能なディ-プラ-ニング(畳み込みニュ-ラルネットワ-ク:CNN)を用いることで,そのような砥粒形状においても形状分類が可能になると考え計測・解析を試みるとともに,分類された砥粒と圧壊荷重値の関連性について明らかにしている.

著者関連情報
© 2019 社団法人 砥粒加工学会
次の記事
feedback
Top